映画館の予告でとても気になった邦画でしたので。
売れない漫画家志望の主人公が偶然猟奇殺人の現場と犯人を見てしまう。
それを題材に作品を作ったら大受けしたが逆に犯人に懐かれた上に模倣犯化されてしまってあれやこれになる作品。
2時間超えの作品ですが一切眠気は発生せず集中して楽しめた今年ベスト級でございます。
大詰めのシーンはおおよそ誰でも想像が出来その通りだったので驚きはなかったのですが話のマイナス要素にはなりませんでした。
むしろそのシーンの描写の緻密さとカメラ回しが素晴らしくて邦画やるじゃん!みんなこのくらいのレベルでやってくれよと絶賛するレベル。
他にも話の途中で漫画家になった主人公から過去に訳アリの爽やか刑事に物語がシフトして思ったのと違うなぁ・・・と感じた瞬間からの衝撃の展開はミスリードうますぎと思いました。
いやマジ、こんなブログでくだらないネタバレなんかしたくないので見に行って。
猟奇殺人の犯人がセカイノオワリのヴォーカルをやられている方なのですがキャラクター像にマッチしすぎ。観ている最中は不快感MAXなのですが見終わると彼がなにゆえあんな事を思考し実行したかが理解できる親切設計でとても素敵です。
一番良くわからなかったのははじめ犯人に仕立て上げられた昔一家惨殺をやらかした50歳無職の男性ですが、最後まで行動原理がよく分かりませんでした。そのあたりはノベライズ版で理解が深まるらしいのですが出来れば映画でもわかりやすくして欲しかったなぁ。一応気がつけるようにはなっていますが他が親切設計なのでバランスがちょっと悪い気がします。
余談ですが主人公の描いている漫画を実際に描かれているのが漫画家「江野スミ先生」なのですが先生は「亜獣譚」というこの作品に引けを取らないイッているキャラクターが多数出てくる作品を出されているのでぜひ読んで。