呪いの短剣に刺されたために肉体が入れ替わってしまった殺人鬼と女子高生のドタバタスラッシャーコメディ。
昨年「ハッピー・デス・デイ」でファンになってしまったクリストファー・ランドン監督がまたやってくれました。
前回はタイムループものでしたが今回は入れ替わりもの、始まる前からネタが割れているシチュエーションでちょっと不安でしたが入れ替わりものを利用した人間ドラマをしっかり描いてくれています。
ハッピー・デス・デイでは親子関係と主人公の成長など血みどろ作品には似つかわしくないホットなテーマが織り込まれていましたが今回もそれは健在、今どきらしくジェンダー関連もありよく作り込まれていると思いました。
特にブッチャーを演じているヴィンス・ボーンの殺人鬼と女子高生の演技が素晴らしかったです。特に作品の大半になる女子高生ミリーの演技は秀逸でむさ苦しいおっさんが可愛いおっさんに大変身。どこでなにとは言えませんが甘いシーンも出てくるなど彼の演者としての力量を存分に楽しめました。
スプラッター要素は前作に比べて多めで直接的なものから工夫をこらしたものまでバラエティ豊富でしたがあまり人死に描写は好んで見る方ではないのでそこはどうでも良かったです。
振り返ると実はいじめられっ子のミリーの代わりに入れ替わったブッチャーが惨殺してまわるという「ナーメテーター映画」の要素もあって殺されるシーンはちょっとスッキリするあたりも絶妙な作りだったと思います。
あれこれ大丈夫?と言う要素がある作品なので万人にオススメできるものではないのですが映画としては緻密な作りになっておりスッキリ感がかなり高いので見てほしい作品です。