めぐめぐのブログ4杯目

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原稿用紙1枚感想「声優ラジオのウラオモテ①~③」

dengekibunko.jp同じクラスだが声優業をしていると知らない二人の女子高生がラジオ番組の共演をきっかけに巻き起こるおしごともの青春コメディ。

説明足りなすぎな要約なのでもうちょっと書きますと主役の女子高生二人は声優業をしているのですがプライベートとは真逆のキャラ設定(メイク、声含む)をしているため日頃の接点が無いせいもあってお互いラジオ番組で共演するまで知らなかったという、ファンタジーな導入です。ちなみにお互いその声優のファン(もしくは尊敬)だったりします。

声優としては好きだけど個人としては性格が異なることもあっていがみ合ってなかなか素直になれない二人ですが色々なトラブルに巻き込み、巻き込まれる(枕営業疑惑、ファンと称する悪意、母親の横槍、仕事現場)中で表面のやり取りとは裏腹にお互いを信頼していきます。

というのが現在発売されている3巻までのざっくりした内容です。

声優お仕事ものと言う側面もありますが会話劇が主軸でセリフ量がとても多い。それ故に読んでいてとてもテンポが良いのがこの作品の良いところです。

1巻毎に大きなテーマ(事件)があってそれを踏まえた小さなエピソードで構成するスタンダードな作りになっていますが主要キャラクターの掘り下げと緩急のある物語の構成をしっかりやっていてその点も好感が持てます。

物語の展開がオーバーなきらいはありますが主軸はそこではなく二人の成長物語だとはっきり分かるので笑って許せるレベルですね。そこをつっこみだしたらそもそも同じクラスの声優二人という基本設定が突拍子もないのでそこは許容範囲かなと考えています。

エピソード的には1,2巻でお互いに絆が出来上がってきたところからの声優業としての壁を描いた第3巻が好きです。

年齢や職歴は関係なく同じプロとして責任を取らなければいけないくだりはお仕事もの全般のテーマでもありそこをクリアしていくため、あがく姿が共感出来ます。

苦しんだ末のカタルシスは後読感すっきりです。ここは映像作品で見たいエピソードでもあります(ものすごくハードルが高そうですが)。

そんな訳でコミック感覚でもりもり読み進められるのでちょっとした時間に楽しめます。気になった方はぜひ。

今回この作品に触れるにあたってコミック1巻を読んだのですが個人的にはコミックの絵柄の方がキャラクターにマッチしていると思います。原作絵は少し柔らかいデザインなのですが内容を考えると線が細いイメージの方がしっくり来ます。もちろん私の趣味的な部分も多分にありますけどね。

他には声優もの()ということもあり、百合っぽい要素もあるのでその辺を期待している方にもご満足いただけるかと。

あ、あと声優ヲタ歴をお持ちの方は少なからず身に覚えのある事が出てきますのでそのへんはお覚悟を(人によっては悶絶死)。