めぐめぐのブログ4杯目

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原稿用紙1枚感想「モーリタニアン 黒塗りの記録」

kuronuri-movie.com

キューバグアンタナモ米軍基地に収容されていた、モハメドゥ・ウルド・スラヒの手記を基に、ケヴィン・マクドナルド監督が映画化。9.11の首謀者のひとりとして収容されたモハメドゥとアメリカ政府の対決と、そこから見えてくるアメリカ政府の闇に迫る。演じるのはジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバ―バッチ、タハール・ラヒム。

Google検索結果より

2週間遅れで秋田駅前にあるAL☆VEで上映開始になったので早速行ってきました。911にまつわる実話として謳っていた予告映像を観て非常に楽しみにしていた一作です。

911の実行犯グループに関わったとして容疑をかけられ20年近く謂れもない拘束を受けていた男性を取り巻く集団と組織の恐ろしさがここには描かれていました。

題材がアメリカなのでこの話を通しての「国家の闇」が顕になっていますがこれは別に米国に限らず世界のどの国家でも大小の違いはあれどありえる話です。

国家の尺度では収まらず小集団でもある話だったのが何よりも恐ろしい。

長期間、証拠なき容疑で裁判もかけられずただ拘束されていた男性に人権擁護を掲げた女性弁護士が弁護に乗り出すのが物語の始まり。

当初弁護士は彼が実際に事件に関わっているかどうかは関係なく理由なき拘束について違憲であるので釈放するようにと言うあくまで「自分の理念」のみで弁護をするのですが物語が進むにつれその男性が受けた非人道的なあらゆる暴力と洗脳を行った軍の実態を知り、彼を個の人間として接する流れはお約束ではありますが人間ドラマとして刺さるものがあります。

また911で友人を失い、その敵討ちと併せて事件の裏取りを担当する軍の男性も国が当初は隠していた行いを知ると軍の意向より己の信念(又はあるべき軍人の姿)に従い同僚や上司から「裏切り者」と反感をかってしまいますがその行動にも感銘を受けました。

そして最大の被害者である男性も初めは自分をこういった境遇に貶めた米国の弁護士に強い拒否感を持っていましたが彼女の心の変化に触れて一緒に戦うことを決意します。

911の許されざる事実を描いた物語ではあり当時彼の拘束を命令した「ブッシュ」「ラムズフェルド」「オバマ」を名指しで批判する稀有な糾弾作品ではありますが根幹にあるのはヒューマンドラマであってそれが作品のクオリティを決定づけていると感じました。

あと、心に刺さったのは特殊尋問に参加した女性軍人がその非道な所業に耐えられなくなって最後は懇願するように男性に供述を促すシーン。尋問シーンを見ていると嬉々としてやっているようにも見えたがそんなことはなかった。

やっぱ実写映画はごちゃごちゃしたSFよりも人間ドラマのほうが好きなようです。(先週見たやつをなんとなく思い出しながら

あ、あと開示された文章がマジ真っ黒でこれって日本の糞政治家のお家芸じゃないんだなと世界の広さを思い知りました。
まぁ・・・シュレッダーをかけて亡き者にするのは日本のお家芸ですけどね!