めぐめぐのブログ4杯目

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原稿用紙一枚感想「神様になった日」

kamisama-day.jp

麻枝准脚本のフォーマットはCLANNAD辺りでお腹いっぱいなのは十分承知しているのに完走して文句言うのはお門違い無いのは十分承知しています。

が、完走してしまったので愚痴を聞いていただけるとありがたい。

 

楽しい日常が終盤で急展開の地獄絵図になる今作は00年代のギャルゲーで流行したジャンル「泣きゲー」そのものです。

そしてそのジャンルで一世を風靡したのが氏が所属していたKeyだったのですが20年代に入った今も頑なにそのフォーマットから外れず色々な角度からアプローチをしているのはある意味ポリシーがあるとも言えます。

ただ、骨格だけとパッケージのフォーマットがどの作品も一貫しているのは全く別で氏の場合後者なのが問題。世界観やシチュエーションを変えているのにやっていることは一緒なので「またか」と思ってしまうのは非常に勿体ないと思う。

あと終盤の展開に持っていくにあたり、唐突とも言える展開が説得力に欠けているのでは無いかと思う。このジャンルは主人公の想いに視聴者がどれだけシンクロ出来るかに掛かってくるのだが、ほぼ唐突とも思える「両思い」というキーワードだけではそこまでの情熱が伝わらなかった。

演出の問題か尺の問題かどちらにしても結果としてなぞられたシナリオを追うだけの状態になってしまい共感しにくいものがあった。

もう一つ致命的だと思ったのは今回設定された架空の難病で登場人物から伝えられる情報に対しての終盤の表現が展開に都合のいいように扱われている感が強い点。

克服が難しいとされる難病に対して素人の個々人だけでケアし続けると言う事の難しさは実際に存在する難病の例を見れば明らかで、架空であろうとそこの描写をないがしろにすると説得力が一気に低下してしまう。

実際にケアが大変である描写はあるのだがそれ故に家につれて帰る流れが感情論だけになっていて釈然としない。

刺さる人には刺さったのかも知れないけれど介護という地続きの問題を入れ込んでいる以上、きちんと深堀りをしてほしかったのですが残念なことに演出の小道具以上には受け取れませんでした。

 

結論:1クール尺でやる企画ではなかったかなと思います。テキストが永遠と読ませることが出来るゲーム向き。あとPAなのでついつい見てしまう氏の作品ですが、いい加減こりたいと思います。