めぐめぐのブログ4杯目

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原稿用紙一枚感想「世界でいちばん長い写真」

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視聴媒体:PrimeVideo

消極的でまだ未来が見えない少年がカメラを通じて一歩を踏み出す物語。

この映画はカメラマンの山本新一さんが日本福祉大学付属高等学校で実際に行った450メートルに及ぶ写真撮影の話をベースにした青春群像劇です。

物語の冒頭、少年の従姉妹の結婚披露宴直前から始まり何回かそのシーンが挿入されることでこの後の展開を視聴者に想像させる流れは、見終わった後の読後感がスッキリして良い仕掛けでした。(ちょっとヤラレタ感も含め)

はじめ所属している写真部で副部長という立場でありながら存在感も薄く部長(女子生徒)から言われっぱなしの彼が回転式のパノラマカメラと出会って従姉妹と写真を撮るためにいろいろな人に助けてもらいながら写真を撮ることに意欲的になっていく流れはよくある青春ものですし途中、立ち止まってしまう流れも物語としては王道ではあります。

ですが、同時進行するサブエピソードやヒロインと思われる女子生徒とのラブ・ロマンスがちょうどよいさじ加減のスパイスになっていたと思います。正直、少年だけのエピソードだと後ろ向きな性格が故にイライラする部分が結構長いのでもたなかったと思います。

話が変わるのは最上級生全員を巻き込んだパノラマ写真撮影の話が動き出してからでここからはテンポよく物語が進んでいきます。

最後の撮影パートでは本来はカメラマンなので映ることのなかった少年が部長の機転で無事フィルム収まるところや同時進行していたサブエピソードがここで最高潮になっていて屈指のシーンになっています。

そして撮り終わった瞬間の達成感が映像から生き生きと感じた時「この映画を見れて本当に良かった」と思う方は多いと思います。

エピローグではその後の少年と一緒に作品を作った仲間たちのその後をサラッと描いていますが何でもかんでも好転する未来だけじゃないという「一歩前進できた未来」のバランス良さや。それでも今後の新しい未来を感じさせるやり取りなど最後まで計算尽くされた演出ですきを与えないただただ「良いものを見た」と言う感想が残るのみの一作でした。

 

おまけ

ameblo.jp

ベースになった撮影で尽力した生徒会役員の方の感想。見終わった方はこちらもどうぞ