めぐめぐのブログ4杯目

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原稿用紙一枚感想「The Name」

namae-movie.com

注:うろ覚えも良いところなので話の内容が前後している可能性が高いですがご容赦を

視聴:PrimeVideo

いくつもの偽名と架空の立場を使う男の前に娘を名乗る少女が現れる。

そして二人の奇妙な偽りの親娘生活が始まる・・・というお話。

偽の名前と偽の家族構成で単純労働とは言え会社勤めが出来るものなのか・・・という突っ込みはさておき、それがばれそうになった時、さっそうと現る見覚えのない自称「彼の娘」さんに助けられ、纏わりつかれいつの間にかそれが日常になっていくのが第一幕。

第二幕はその娘に視点が変わり彼女の内情と家庭の事情が徐々に明らかになっていきます。

二幕目ではまだ彼女の真意は読み取れませんが彼女の求めているものが明らかになり、偽の親子関係と言えど、それが如何に心地よいものなのかが映像からもよく分かる光景が繰り広げられます

第三幕目に向けての箸休めと言うか、二人のやり取りがとても暖かくて良いです。癒やされ系を狙っているわけではないのですが引いて見ているなぁ。

第三幕目は二人の視点が交互に描写される「実は・・・」な話。

男の方は何が本当で何が嘘か、なぜ偽りの自分をいくつも演じているのかが分かっていきます。実は本当は何もない自分(と本人は思っている)から逃げたい一心からの行為と分かるのですが、手段として偽名を使うのはともかく思い当たるところが有りすぎて胸が痛い。

娘の方は死んでしまったと母親から言われている父親が実は男が本当の父親なのではと言う疑問から端を発していた一連の行動ということが分かり、そこから一気にクライマックスへと物語は進んでいきます。

結局どうなのかというのは見てみてのお楽しみなのですが、新しい関係性の中でお互い立ち止まっていた自分から一歩進んだところで物語は終わります。

片親でも有りませんでしたし娘だった経験も有りませんので娘の心情は今ひとつ計り知ることが出来ない部分がありますが、本来はあって欲しかった自分には欠落した何かを追い求めてしまう事は誰しもあるのでその部分は共感できました。

男の方に至っては前述通り現在進行系な部分でございますので停滞している今から一歩踏み出せればな、とちょっと背中を押された気分でした。

おっさんになると中々道を示してくれる人は少なくなりますので本を読むなり映像作品を見るなりで色々考えてみるのも良いのかも知れませんね・・・っていつもこんな締めだな。

たまには痛快活劇でも見て最後に「スッキリした」な感想の作品でも見ますかね。